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ADISH

ADISHアディッシュ

ADISHは、テルアビブを拠点とする、イスラエルとパレスチナのクリエイター集団によるブランド。

イスラエル人デザイナー Amit LuzonとEyal Eliyahu、パレスチナ系アメリカ人アーティスト Jordan Nassar、パレスチナ人 Qussayの4人で構成されるADISHは、中東の文化とハンドクラフトを融合させ現代的な解釈を加えることで、長年にわたる社会的・政治的な対立に変化をもたらしつづけている。

ADISHのすべてのコレクションは、パレスチナの手縫いの刺繍やかつてこの地に住んでいた遊牧民族ベドウィンの伝統的な製織技術など、地域の土着のデザインを用いながら、そこで活動する刺繍作家や職人、工場などと共に生み出すことをミッションとし、これまでに100人以上の女性の職人たちともコラボレーションしてきた。 でもそこはイスラエルとパレスチナ。様々なチャレンジがある中、最大の障壁が物流だ。パレスチナ生まれの人はイスラエルに移動することは禁じられ、イスラエル人もパレスチナに移動するのは極めて困難な現実がある。そんな状況下、ADISHは様々なネットワークを駆使し、物流のサポート得て生産に挑んでいる。 こういった障壁やリスクがあるからこそ、ADISHは文化的・政治的・物理的な境界を橋渡しし、真のパレスチナとイスラエルのパートナーシップを実現するビジョンに駆り立てられるのだ。

アディッシュの各コレクションは、イスラエルによるパレスチナ占領と、その占領が生み出す日々の闘いや苦しみについて、さまざまな層から意識を集めることを試みています。23年春夏コレクション「コモン・ゴールズ」では、スポーツに注目しました。

スポーツには、個人として、チームとして、そして社会として、私たちに力を与えてくれる力があります。スポーツは私たちに、より努力すること、人格を形成すること、協力すること、技術や教訓を学ぶことを要求します。また、スポーツとそれを取り巻くチームや組織は、ナショナル・アイデンティティの感覚を生み出し、社会に影響を与えるだけではなく、社会の形成に貢献することができる。

パレスチナには豊かな陸上競技の歴史があり、特にサッカーが有名だが、その他にも陸上競技、水泳、ウェイトリフティング、レスリング、卓球など様々なスポーツがある。1948年以前は、アラブ・パレスチナ・スポーツ連盟（APSF）がスポーツ活動の主要な統括団体として運営されており、全65の競技クラブのうち55以上が加盟していた。

1967年にイスラエルがヨルダン川西岸とガザ地区を占領して以来、APSFとほとんどの競技クラブは解散。現在、存在するクラブは、信じられないような苦闘と犠牲を強いられている。検問所や国境によって移動が制限され、選手やクラブ同士が簡単に大会や活動を行うことができないのだ。パレスチナを代表して国際大会に参加するための出国ビザを取得することは非常に難しく、イスラエルによって拒否され、棄権を余儀なくされた選手やチームも少なくない。多くのアスリートがイスラエル軍によって逮捕され、負傷し、殺されています。

ADISHの新しいコレクションは、パレスチナのスポーツの歴史を祝うと同時に、パレスチナの人々やその文化、社会に対する占領の日々の影響に注意を喚起することを目的としています。コットンラグビーシャツやリップストップトラックスーツなど、スポーツにインスパイアされたカットやデザインは、競技やコミュニティの精神を思い起こさせます。コレクション全体のグラフィックやシンボルは、パレスチナの過去のスポーツクラブからインスピレーションを得ています。

ADISHは、クラフトを通じた文化の保護を核に、ラキヤの手織り・刺繍工房、マジャールの手織り布メーカー、ヨルダン川西岸のパレスチナ人刺繍女性など、占領下のパレスチナやイスラエルのクラフト工房と長年にわたるパートナーシップを続けていることを誇りに思っています。

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