RoosterKing&Co. / 松崎氏 インタビュー後編
2015.12.24 / INTERVIEW
【前編を読む】
古いって言われるだいたいの目安が100年なのかな。
ー作品の話に戻るのですが、使用されているビーズも古いものなんでしょうか?
松崎:白いやつは古いですね。白いやつは100年以上、200年くらい前のビーズですね。赤いのと青いのは、いわゆるホワイトハーツっていわれてるビーズで、100年も経ってないけど、まあそこそこ古いビーズです。古いって言われるだいたいの目安が100年なのかな。その辺のものに関しては。
ービーズなどのパーツは、新しいものは使われないんですか?
松崎:いや、気に入ったものがあれば新しいビーズでも全然使っていいんですけどね。いいなって思うやつが無かったから使ってないだけなんです。最近やっと気になるビーズはあるんですけどね。この、ちょっと可愛い系のビーズなんですけど。インドで作られてて、そこまで古くはなんですけど、これはけっこう、今度使おうかなーって思ってて。
ー今までつくったもので思い入れがあるものってありますか?
松崎:思い出があるもの、、、そうですね、、ぱっと出て来ないからないのかなー。強いて言えばそのサドルバックかな。その、N.HoolywoodのNYのランウェイで使ったもの、かな。
この辺のカフスとかベルトとかもぼくが作らせてもらったんですよ。そこの鞄とかも。
まあやっぱ大変だけど、好きでやってますからね。嫌いだったら出来ないですよ。(笑)
ーカービングして黒くなったとこはどうなっているんですか?
松崎:これは、色を入れてるから、凹んだ部分に色が落ち込んで濃くなってるんですね。
ちょっとやってみせましょうか。これでいうと、このスエーベルナイフって呼ばれるナイフで、絵を描いたとこに線を引いていくんですよね。ここがナイフになってて、これで彫っていくんですけど、こうやってスポンジで濡らしてあげて、彫るとこうなるんですよ。気の遠くなる様な作業なんですけれどね、これ。
ここの部分をこう、深く彫り込んだ上に、この凹んでるとこありますよね、これはこのちっちゃな道具で潰していくんですよ、こうやって。こうやって全部潰していくんです。アホな仕事でしょ。ずっとこうやって、強弱をつけながらこうやって。そうすると立体感が出てくるんですよね。ひとつひとつの値段が高いのがわかるでしょ?(笑)。こういうのをずーっと、永遠と作業するんですよ。だから無二って言うのがわかります?一個しか出来ないって言うのが。気が遠くなりますよ、やってると、多分。やる時は1日12時間とかやってますね。お客さんを待たせないようにしなきゃいけないんでね。これいっかい失敗するともう使い物にならないんですよ。こんな風に潰していくとね、こうなります。全然違うでしょ。一回始めてしまうと止まんなくなるんだよね。まあ、こうやって、こんな感じで出来ます。
ー例えばこのベルトだったら、全ての行程でどのくらいの時間がかかるんですか?
松崎:僕の場合は、これ(ベルト)一本作るのにだいたい4日ぐらいですね。作業効率を考えて、絵を線にしていく行程を一気に何本もやってしまってから、打つ時は打つ時で集中して全部作ってしまってやってますね。速ければ3日でやっちゃいます。ほんとに大量にオーダーが入ったりとかすると、目の下にクマができちゃったりするんですよね(笑)。これはもう、言ってしまえば集中力の固まりみたいなもんなんだよね。まあやっぱ大変だけど、好きでやってますからね。嫌いだったら出来ないですよ(笑)。
もう今日は疲れたなーって思ったら、冬になるとこうやって、暖炉で火焚いて眺めてれば落ちつくしね。おじいちゃんの域に達してますけどね、ほんと(笑)。火とか自然なものみてると落ちつきますからね。
俺アメリカにいる時はサーフィンしてて、波待ちのマツって有名だったんですよ(笑)。波が来ても乗らないでずーっと波待ちしてるの。「まだ待ってるねあいつ」っていうね(笑)。疲れた時なんかによく行ってましたね。向こうの人たちはみんなガツガツなんてしてないんですよね。サーフィンも仕事も、ライフスタイルの中の一環みたいでね。
最近は、海外に住んでる日本人の作家さん増えましたよね。どんどん向こうから日本に落とし込んでるっていう感じだね。逆にこっちから向こうに落とし込まなきゃ行けないんですけどね。MADE IN JAPANをねぇ。
ー弟子をとったりはされないんですか?
松崎:うん、とりませんね。弟子は、僕には。そんな身分じゃないんで。弟子にしてくださいって人は今までもいっぱいいましたよ。だけど、「弟子は取ってないんで」って。かっこいいでしょ?だけどさ、正直、自分で出来るんすよ、やる気があるやつは、弟子とかにならなくても。習得してやるぜって言う気持ちがあれば、誰でも出来るのよっていう話なんすよ。
さっき見せたベルトなんかっていうのは、昔からある技法でやっていけるから、昔のを見よう見まねでできる。でも、こういったやつ(財布)こういうのは自分のセンスですよ。だから自分でどう作るか、どう彫るか、どう色をいれるか。自分で絵書いたのを立体化させるんだから。自分が好きなのを考えてやっていかなくちゃいけないから難しいんだよね。でも、だからオリジナルが出来るんですよね。ダイスさんに送ってる、あのインディアンのやつとか、すっごいあれ反響いいんですよ、他のとことかも。欲しいと。あれすっごい大変なんだよね~。
ー僕も松崎さんと同じものを買わせてもらったんですよ。やっと少し柔らかくなってきました(Dice&Diceバイヤー吉田)
松崎:わーいい色になってきてる!僕のとお揃いだなぁ。僕のはこれで、10年ものだね。はははは。ボロボロだけどな!やっぱ新しい方が凝ってるね。もともと同じ色からはじまってるやつで、こんな風に変わっていく。まあおれのはボロボロだけどね。
ーこの仕事やってて良かったって思われますか?
松崎:そうだね、もう他の仕事は考えられない感じ。昔から、ものづくりは好きでしたからね。次何するかっていったら、陶芸家にでもなろうかな思ってるくらいかな(笑)。その時にはここの隣に窯でもつくろうかな。それもいいかなとは思ってるよ。
下のチビがね、生まれてくるときに嫁が入院してくれたから、この仕事に就けてんのかなってのも思うね。まあ、今だからこそそんな風に思えるのかもしれないけど。
ー今後の展開はどんなことを考えていらっしゃいますか?
松崎:まあこのまま、このペースでいければいいかな。上も望まず、下も見えなければいいかなって思ってるけどね。もう、ありふれた生活が送れれば。コツコツしか、作品は出来ないから。
これから人の手を借りてどうするっていうことも出来ないと思うし、多分一人でずっとやっていくんだろうし。だからまあ、それでいいのかなって、それで生活が出来てるから、そう思います。
ーインタビュー後記ー
ファンの一人として、さらにRoosterKing&Co.の魅力に引きこまれた今回のアトリエ訪問。
松崎氏の作る唯一無二の作品を是非店頭やオンラインストアでご覧下さい。
RoosterKing&Co.の商品はこちら>
【前編はこちらからご覧いただけます】
RoosterKing&Co. 松崎幸臣
(ルースターキングアンドシーオーデザイナー マツザキユキオミ)
RoosterKing&Co.(ルースターキングアンドシーオー)>
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古いって言われるだいたいの目安が100年なのかな。
ー作品の話に戻るのですが、使用されているビーズも古いものなんでしょうか?
松崎:白いやつは古いですね。白いやつは100年以上、200年くらい前のビーズですね。赤いのと青いのは、いわゆるホワイトハーツっていわれてるビーズで、100年も経ってないけど、まあそこそこ古いビーズです。古いって言われるだいたいの目安が100年なのかな。その辺のものに関しては。
ービーズなどのパーツは、新しいものは使われないんですか?
松崎:いや、気に入ったものがあれば新しいビーズでも全然使っていいんですけどね。いいなって思うやつが無かったから使ってないだけなんです。最近やっと気になるビーズはあるんですけどね。この、ちょっと可愛い系のビーズなんですけど。インドで作られてて、そこまで古くはなんですけど、これはけっこう、今度使おうかなーって思ってて。
ー今までつくったもので思い入れがあるものってありますか?
松崎:思い出があるもの、、、そうですね、、ぱっと出て来ないからないのかなー。強いて言えばそのサドルバックかな。その、N.HoolywoodのNYのランウェイで使ったもの、かな。
この辺のカフスとかベルトとかもぼくが作らせてもらったんですよ。そこの鞄とかも。
まあやっぱ大変だけど、好きでやってますからね。嫌いだったら出来ないですよ。(笑)
ーカービングして黒くなったとこはどうなっているんですか?
松崎:これは、色を入れてるから、凹んだ部分に色が落ち込んで濃くなってるんですね。
ちょっとやってみせましょうか。これでいうと、このスエーベルナイフって呼ばれるナイフで、絵を描いたとこに線を引いていくんですよね。ここがナイフになってて、これで彫っていくんですけど、こうやってスポンジで濡らしてあげて、彫るとこうなるんですよ。気の遠くなる様な作業なんですけれどね、これ。
ここの部分をこう、深く彫り込んだ上に、この凹んでるとこありますよね、これはこのちっちゃな道具で潰していくんですよ、こうやって。こうやって全部潰していくんです。アホな仕事でしょ。ずっとこうやって、強弱をつけながらこうやって。そうすると立体感が出てくるんですよね。ひとつひとつの値段が高いのがわかるでしょ?(笑)。こういうのをずーっと、永遠と作業するんですよ。だから無二って言うのがわかります?一個しか出来ないって言うのが。気が遠くなりますよ、やってると、多分。やる時は1日12時間とかやってますね。お客さんを待たせないようにしなきゃいけないんでね。これいっかい失敗するともう使い物にならないんですよ。こんな風に潰していくとね、こうなります。全然違うでしょ。一回始めてしまうと止まんなくなるんだよね。まあ、こうやって、こんな感じで出来ます。
ー例えばこのベルトだったら、全ての行程でどのくらいの時間がかかるんですか?
松崎:僕の場合は、これ(ベルト)一本作るのにだいたい4日ぐらいですね。作業効率を考えて、絵を線にしていく行程を一気に何本もやってしまってから、打つ時は打つ時で集中して全部作ってしまってやってますね。速ければ3日でやっちゃいます。ほんとに大量にオーダーが入ったりとかすると、目の下にクマができちゃったりするんですよね(笑)。これはもう、言ってしまえば集中力の固まりみたいなもんなんだよね。まあやっぱ大変だけど、好きでやってますからね。嫌いだったら出来ないですよ(笑)。
もう今日は疲れたなーって思ったら、冬になるとこうやって、暖炉で火焚いて眺めてれば落ちつくしね。おじいちゃんの域に達してますけどね、ほんと(笑)。火とか自然なものみてると落ちつきますからね。
俺アメリカにいる時はサーフィンしてて、波待ちのマツって有名だったんですよ(笑)。波が来ても乗らないでずーっと波待ちしてるの。「まだ待ってるねあいつ」っていうね(笑)。疲れた時なんかによく行ってましたね。向こうの人たちはみんなガツガツなんてしてないんですよね。サーフィンも仕事も、ライフスタイルの中の一環みたいでね。
最近は、海外に住んでる日本人の作家さん増えましたよね。どんどん向こうから日本に落とし込んでるっていう感じだね。逆にこっちから向こうに落とし込まなきゃ行けないんですけどね。MADE IN JAPANをねぇ。
ー弟子をとったりはされないんですか?
松崎:うん、とりませんね。弟子は、僕には。そんな身分じゃないんで。弟子にしてくださいって人は今までもいっぱいいましたよ。だけど、「弟子は取ってないんで」って。かっこいいでしょ?だけどさ、正直、自分で出来るんすよ、やる気があるやつは、弟子とかにならなくても。習得してやるぜって言う気持ちがあれば、誰でも出来るのよっていう話なんすよ。
さっき見せたベルトなんかっていうのは、昔からある技法でやっていけるから、昔のを見よう見まねでできる。でも、こういったやつ(財布)こういうのは自分のセンスですよ。だから自分でどう作るか、どう彫るか、どう色をいれるか。自分で絵書いたのを立体化させるんだから。自分が好きなのを考えてやっていかなくちゃいけないから難しいんだよね。でも、だからオリジナルが出来るんですよね。ダイスさんに送ってる、あのインディアンのやつとか、すっごいあれ反響いいんですよ、他のとことかも。欲しいと。あれすっごい大変なんだよね~。
ー僕も松崎さんと同じものを買わせてもらったんですよ。やっと少し柔らかくなってきました(Dice&Diceバイヤー吉田)
松崎:わーいい色になってきてる!僕のとお揃いだなぁ。僕のはこれで、10年ものだね。はははは。ボロボロだけどな!やっぱ新しい方が凝ってるね。もともと同じ色からはじまってるやつで、こんな風に変わっていく。まあおれのはボロボロだけどね。
ーこの仕事やってて良かったって思われますか?
松崎:そうだね、もう他の仕事は考えられない感じ。昔から、ものづくりは好きでしたからね。次何するかっていったら、陶芸家にでもなろうかな思ってるくらいかな(笑)。その時にはここの隣に窯でもつくろうかな。それもいいかなとは思ってるよ。
下のチビがね、生まれてくるときに嫁が入院してくれたから、この仕事に就けてんのかなってのも思うね。まあ、今だからこそそんな風に思えるのかもしれないけど。
ー今後の展開はどんなことを考えていらっしゃいますか?
松崎:まあこのまま、このペースでいければいいかな。上も望まず、下も見えなければいいかなって思ってるけどね。もう、ありふれた生活が送れれば。コツコツしか、作品は出来ないから。
これから人の手を借りてどうするっていうことも出来ないと思うし、多分一人でずっとやっていくんだろうし。だからまあ、それでいいのかなって、それで生活が出来てるから、そう思います。
ーインタビュー後記ー
ファンの一人として、さらにRoosterKing&Co.の魅力に引きこまれた今回のアトリエ訪問。
松崎氏の作る唯一無二の作品を是非店頭やオンラインストアでご覧下さい。
RoosterKing&Co.の商品はこちら>
【前編はこちらからご覧いただけます】
RoosterKing&Co. 松崎幸臣
(ルースターキングアンドシーオーデザイナー マツザキユキオミ)
RoosterKing&Co.(ルースターキングアンドシーオー)>
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